やっぱりおかしい!狛江市中学校給食センター建設計画

フォーラムの市民意見をどう反映するのか、「市民参加」が問われている

 10月16日(日)午前9時30分から、あいとぴあセンターで狛江市給食センター施設整備にかかる市民フォーラムが開催され、会場には大勢の保護者、市民、関係者が集まり、この問題への関心の高さをうかがわせました。基調講演の講師、女子栄養大学短期大学部教授の金田雅代さんは、30年間岐阜県多治見市において、学校給食、保育園給食の管理栄養士として勤務。平成7年より10年間、文部科学省学校給食調査官として食育基本法の制定にかかわり、平成17年4月より現職。学校給食の現場を知る専門家として、給食と食育の意義をわかりやすく話してくださり、狛江市教育委員会の提案にもズバッと切り込んだ指摘がされました。
 金田さんが学校給食に期待することとして挙げたのは、
①生きた教材ー食の自己管理能力を育成すること
②健康問題
③アレルギーへの個別対応
④地場産物の活用
⑤災害時の炊き出し
⑥食の情報発信センター
で、子どもたちや狛江市民の健康に寄与するセンターを作るよう、市民が関心をもって監視し、後押ししなければと市民を激励。教育委員会が経済性、衛生管理をコンセプトの上位に挙げていることに対しては、「納得できない。衛生管理は当たり前で文部科学省の学校給食衛生基準に沿ってやればできる」とHACCPによる衛生管理を目玉とした提案を喝破しました。
 
 シンポジウムでは小学校の栄養士さんが小学校は自校式なので温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供できることでおいしく、いろどりや歯ごたえもよいことから、「中学校給食も適温で食べてもらいたい」と希望し、金田さんからはセンターが市内であれば、調理後常温以下に冷ます必要もないのでは、と計画への疑問も呈されました。
 
 素材のおいしさを生かした薄味の、手作り給食の良さは食事作りにかかわる人なら即、納得のこと。夕方遅くまで部活もする中学生の子どもから「量が足りない」と言われて、お弁当を持たせているとの意見もまっとう。小学校給食同様、素材から手作りで、一人ひとりが自分の食べる量を調整できるような給食でなければ、センターに巨額の建設費と維持費をかける意味はないと再確認したフォーラムだったと思いましたが、教育委員会のみなさんはどう受け止めたのでしょうか。

 市民参加の場としての「市民フォーラム」での意見をどう検討するのか、教育委員会の議論を注視していきます。(池座俊子)