「コスト削減でなく質向上のために民間委託」前我孫子市長福嶋浩彦さん講演会

2013年9月14日 02時18分 | カテゴリー: トピックス, 子ども・教育・女性, 市民自治・まちづくり, 福祉, 議会, 食・環境

市政改革研究会主催の福嶋浩彦さん講演会第2弾は8月10日に開催された。

民間委託や委託についての福嶋さんの立場は「よくなるならいいんじゃない、悪くなるならダメでしょ。ちゃんと中身で判断したほうがいい」と明快。

 

これまでは、主権者である市民の意志と離れた行政が一方的な決定権を持って公共を仕切り、自らの勝手な都合で民間(企業やNPO)に下請けに出してきた。しかし主権者の意志でこれだけの税金を使ってこの事業をやると決めたら(ここが議会の役割)、行政の仕事は最も高い質でその事業をやれるものにその事業を発注すること。これを徹底したのが我孫子市長時代に行った提案型公共サービス民営化制度。市のすべての事業・事務(約1,100)を例外なく対象に、民間(企業やNPO等)から「この仕事は市役所よりもずっと良いサービスを提供できる」という提案を公募し、専門家、市民、行政で、市民の利益になるかを審査し、第1回目では79提案のうち、34について条件付きも含めた採用を決めたという。質で判断していくと民間の能力は高いので、民間に移る。そうすると行政の総コストは下がっていくという効果はある。でも一つ一つの事業をいかに安上りにするかという発想で民間に移していくといろんな歪みが出てくるのだと。小学校給食調理委託や公立保育園の民営化に際して、市が担保したい質を示し、当事者や市民と徹底して議論する、というのが福嶋流であり、その経験が提案型公共サービス民営化制度に発展したということが納得できる。

市場では、消費者が価格と質のバランスを見て、購入する商品を選択するが、公共サービスの場合は今まで、行政と事業者(=提供者)だけで決めている。提案型公共サービス民営化制度は公共サービスの内容と実施者の決定に消費者(市民)が参加する試みで、「税の投入」と「質」のバランスを考えて決められる、主権者市民が育つことが大切と力説。何より地方財政自立の改革のために、自治体は国の補助基準ではなく、市民の意思に基づき仕事をする必要がある。徹底した市民自治を求める姿勢は、有権者である市民にも意識改革を求めていると感じた。

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市でも議論の俎上に上がっている小学校給食の調理委託や市保育園の民間委託。狛江市ではどちらも「行革」や「定員適正化計画」を起点に説明がされているが、この機会に「学校給食に求める質」、「保育園に求める質」を利用者や市民参加で議論することが大事だと改めて強調したい。「公」か「民」かではなく、質で議論できる市への脱皮のきっかけになるよう市民議論を活性化させたい。(池座俊子)