狛江市長のセクハラ疑惑について

3月1日、狛江市議会一般質問で市長の複数の女性職員に対するセクハラ疑惑が浮上。情報公開条例請求に基づき公開されたセクハラ相談に関する市の内部文書をもとに予算特別委員会や本会議での質疑が行われてきた。

狛江・生活者ネットワークは真相究明と再発防止を求めて予算委員会に臨んだ(詳細は山本あき子ホームページ参照)。当初市長は公開された文書の信ぴょう性を疑うような発言を繰り返し、疑惑を否定。ネットの山本議員は内部文書が狛江市の情報公開条例に定義された以下の「情報」に当たると指摘した。

(狛江市情報公開条例)

情報    実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム及びテープ,その他これに類するもの及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。

市長は「口を付けたコップで何度も飲むことを強要された」ことに関しては「返杯・献杯」の文化などと釈明したが、マスコミ取材に「異性への関心のもとにやったことではなく、一種の一家意識で、狛江一家みたいな、家父長的な立場としてやったが、もし女性が不愉快に感じたならごめんね、というべきなんだと思う」と返答。市役所を私物化するような発言で人権意識の欠如が露呈された。

27日、議会最終日には市長から、自らの月額給料(89万8千円)を4月から2か月に限り、20%減額する条例案が市議会に提出された。市長はその理由として「自らの言動で市政に混乱を招き、市民に心配をかけた。公用車の私的利用や市長交際費の不適切な支出に関しては今後基準を設けたい」とした。山本議員から提案の経緯と根拠を問われた市長は「どの程度あがなえばよいか、私なりに考えた。しかるべき職員に相談し異論がなく、庁議で承認された」と答弁、これで幕引きとすることは許せない、と条例案に反対したが、賛成多数で条例は成立した。

狛江市職員のハラスメントに関する規則では市長が率先してハラスメント防止に対処しなければならないと規定されているにも関わらず、職員の処分が行われていないことから、行為者が市長ではないかという指摘に対しても「心当たりがない」と最後まで疑惑を否認している。

(狛江市職員のハラスメントに関する規則)

第3条 市長は、職員がその能力を十分に発揮できるような勤務状況を確保するため、ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。

2 市長は、ハラスメントに関する相談及び苦情の申し出(以下「相談・苦情」という)、相談・苦情にかかわる調査への協力その他ハラスメントに対する職員の対応に起因して、当該職員が職場において不利益を受けることがないよう配慮しなければならない。

 

高橋都彦市長に対し辞職を求める決議についての動議は、議題とすることを否決され、続けて山本議員より提出した真相究明と再発防止を求める委員会の設置についての動議も反対多数で議題にもならなかった。狛江・生活者ネットワークは被害者に寄り添い、真相究明と再発防止に向けて、引き続き活動していく。(池座俊子)