自然の恵みと暮らそう!

秋の週末を五日市協同村ひだまりファームでエコフィールドワーク

 日本の伝統文化や自然に深い理解を示し、秋川のほとりに居を構えたブレイクモア。彼は敗戦後の日本で憲法制定作業にも携わった人だが、彼が残した秋川渓谷沿いの美しい自然に囲まれた住居は今生活クラブ生協の協同村として様々な活動に利用されている。ワーカーズ草の実が管理運営をしている。

 この25日ここで環境マイスター講座「自然と住まい」が開催された。各地域でリユースショップや環境デザイン等の活動を実践している人や環境に関心を持つ市民が集まった。

 今回のテーマは「自然の恵みと暮らそう!」。建築士の関谷真一さんと黒岩哲彦さんが先生だ。関谷さんからは廃熱と断熱で自然を取り込み、自然素材を生かしたシンプルな住まいの紹介があった。熱の上昇気流に逆らわずに屋根裏からそれをうまく逃がしてやること、開閉式の床下換気口の取り付け、庇の効果で日当たりの確保、そしてシックハウスとは無縁の呼吸する自然素材を生かした家は結局はライフサイクルアセスメントにもかない、古民家の知恵が活かされていて、省エネにもつながっている。座学の後、結いの会が楮や八王子の竹材で漉いた和紙でセルフビルド−壁紙貼りに挑戦。
 
 黒岩さんからは森林の持つ蒸発作用が弱まることによって気候変動が起こっているのではないかという問題提起があり、雨水の活用が目的の竹を使ってのプランターづくりと沢からの水を落差を活用してマイクロ水力発電するフィールドワークをおこなった。わずかの水での発電を目の当たりにして、無駄なダムや原子力発電を作り続けるのでなく、自然エネルギーを活用してエネルギーの地産地消が急がれる課題であると確信。

 宿泊施設として使っている築100年以上経つ民家の薄汚れた漆喰の壁に、こどももおとなもワイワイ言いながら、手づくりの小麦のりをつけた手漉き和紙を下から重ねながらはっていった。漆喰も和紙もどちらも家の呼吸を妨げない自然素材。温かみのあるすてきな壁に変身。みんな大感激。
 
 協同村は楽しみながらできる環境教育の拠点でもあり、優れたエコビレッジにゆっくり進化しつつある。ここでは里山の自然が人を癒し、和ませ、生かし生かされ合って生活することの快感を味わうことができる。