会場の人たちに不思議な一体感が。
何事も真実を知ることからしか始まらない。
映画の中で、有機農法で栽培した真っ赤なトマトをいとおしそうに集荷している六ヶ所近郊の天間林村の若い生産者のつぶやき・・「再処理工場はたとえていうと、自分の家の敷地に地雷が埋まっていて、もしかしたら一生不発に終わるかもしれないけど、若し踏んでしまったらと四六時中不安に思いながら生活するようなもの、よっぽど鈍感じゃなきゃそりゃ無理な話でしょ?」・・このトマトなにしろすごい迫力。最近こんなにいのちの躍動を感じたのは孫の誕生以来。観た人それぞれがそれぞれに鎌仲さんや現地の人たちの心とつながりあう奇跡。それぞれであっても問題の核心につながっていく力がこの映像にはあるのだと思います。
日本のエネルギー供給は3分の1を原子力発電に依存しています。そして現在の自公政権、電力会社は原発の電力はクリーンだと宣伝し、福田首相は原発立国を宣言。もっと原発を建設しようとしています。活断層が縦横無尽に走っている日本全土が原発を抱えることは一触即発の地雷の上にあるのと同じ。
でも7月と9月に来る消費電力のピークにちょっと工夫をするだけで再処理工場も原発の増設も必要なくなるのです。(ピークは8月の甲子園のときではなかった!)
電力消費の大半は産業が、残り4分の1を家庭が使用しています。
このピーク時(夏季気温が31度を超える平日の日中2時から3時だけ)、使えば使うほど電気料金が高くなるように設定すれば3〜4割消費をカットできると鎌仲ひとみ監督も田中優さんも指摘しています。ドイツでは実証実施済みです。
こうすればCO2の排出権を買いまくらなくても、京都議定書をクリアできると。(本当は軍事が一番化石燃料石油を使ってCO2を排出している事実。そして領土を越えて他国の戦争に参加している場合は排出量にカウントされない摩訶不思議。)
産業でも家庭でも省エネ製品に切り替え、住宅の断熱に気をつけるだけで消費電力は半減可能。
まずは省エネ。エネルギーの浪費をみんながちょっと意識してやめること。次に多様なエネルギー自給でエネルギー分散型社会にと田中優さんは力をこめます。
日本では風力の電気は不安定で質が悪いと電力会社は購入しようとしません。そりゃそうですよね。原子力産業を手放したら金儲けのうまみを手放すことと同じですから。デンマークなどでは夏場でも風力発電が60%近く、ピーク時には90%近くを供給しています。
スウェーデンでは1986年のチェルノブイリ原発事故のあと、国民投票の結果をうけ、脱原発宣言をして、6基の原発をあと22年かけて廃止にむけて進めています。エネルギー問題の解が沢山示されているのに、「命が大事」とエネルギー政策を転換した国々があるというのに、私たちはどこに向かおうとしているのか?
エネルギーの問題は地域の、私たち一人ひとりの問題でもあるのです。