「どうなる電力自由化~再生可能エネルギーは自由に選べるの?」学習会報告

2016_0213_135041-IMG_16482月13日、2015年狛江市行政提案型市民協働事業の最後の活動として、エネルギーシフトを実現するこまえの会が企画した学習会「どうなる電力自由化~再生可能エネルギーは自由に選べるの?~」が開催されました。

講師の竹村英明さんは市民電力連絡会会長、イージーパワー株式会社代表取締役、緑茶会(脱原発政治連盟)代表として長年脱原発・再生エネエルギ―の普及に尽力されている方。4月からの電力小売り完全自由化をまえに、売り込みの電話もいろいろかかってきているこの時期、市民の関心も高く、50人近くの参加がありました。

◇日本の再生可能エネルギーポテンシャルと大きな経済効果

竹村さんが強調したのは日本の再生可能エネルギーのポテンシャル(潜在力)と再生可能エネルギーの大きな経済効果。環境省が平成23年、24年に行った再生可能エネルギーのポテンシャルは経済性や野鳥保護、景観、人への影響などを配慮すると8000億KWh。それに対し日本の過去最大電力需要は1兆KWhだが、年々微減している。さらに省エネの効果で現在の電力需要は8457億KWh、将来は7500億KWhとなる見込みで、原発がなくても困らない。さらに風力発電、太陽光発電による総額183兆円の内需と、毎年20兆円以上と言われる化石燃料の購入費用も削減される。

◇電力自由化は再生エネルギーを後押しする

電力自由化によって送電線の相互利用することで再生可能エネルギーの受け入れが拡大する。また発送電分離は発電コストの透明化を促進。原発のコスト高も明確になり、競争に負ける。電力システム改革後、ドイツでは太陽光と風力で全電力需要の50%に、スペインでは風力だけで全電力の60%など海外で驚愕の事実が起こっている。

◇本当の電力自由化を阻む日本の障壁

日本では「30分同時同量」義務、FIT電源からの調達による高額な先払い負担(参入規制)、再エネ電源が極端に少ないうえに「仕入れ価格」上昇など再エネ電気を供給する小売り電気事業者に厳しい条件がある。また低圧電力に原発の廃棄物などの託送料金(原価)が上乗せされているのも不可解、不合理だ。

◇電力自由化に向けて私たちにできること

私たちは消費者として、電力に対する「強い強制力」を持っている。消費者が選ばないもの、買わないものは売れない。消費者のニーズに合わせて、商品は変化する。有機・無農薬野菜とか、産直とか、国産材の家とか…。再エネを選ぶ!石炭、原子力は選ばない!と声を上げよう。

果敢に電力小売りをめざす自治体・市民から電気を買う、市民マネーで再生エネ発電所を増やす、安易な広告に惑わされない選択をすることが大事。

新電力にはA東電系、B他電力系(東電以外の一般電気事業の電気を仕入れて販売)、C独立系(自社の天然ガス発電、再生エネルギーなどの電気を販売)、D市民再エネ系(自社の再生可能エネルギーの電気を販売)の4つの類型がある。BCDの場合も常時バックアップやインバランス供給の場合東京電力管内であれば東電の電気が入ることは避けられない。

参加者からは

・中身の濃い、立場のはっきりした内容で良かった・日常使用している電力のことがいろいろわかりました。よく考えて電力会社を決めたいと思います・今迄あまり関心を持っていなかったのですが、今日から電力のことを主人と共に考えたいと思いました・再生可能エネルギーで充分電力がまかなえることがわかったこと。電力会社の選び方。などの感想が寄せられました。

市民がきちんと選択できるように、電源の内訳などの情報提供が必要です。

脱原発社会へ、電気を選べば社会は変わります!!