政治カフェ 参議院選挙に行こう! 宇野重規×大河原まさこ

5月14日(土)、大河原まさこと勝手に連帯する会@狛江主催の政治カフェが開かれました。勝手連では参議院選挙に関心を高めようと3月に狛江駅前で「参議院選挙に行こう!」と呼びかけながらシール投票を3回実施。政治カフェでは宇野重規さん(東京大学社会科学研究所教授)、大河原まさこさんとともに国政の課題を考えました。

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◆都市部でこそ深刻な2025年問題

 

今、限界集落の問題で地方が深刻と言われていますが、島根県海士町や徳島県上勝町のように元気な地域もある。都市部、特に住宅地として発展してきた多摩地域の自治体こそ、2025年に向けて課題が大きいと宇野重規さんは言います。1つには都市部の昼夜間人口差の激しい自治体は、地域に産業や学校がなく、地元には寝に帰ってくるだけという人が多く、地域のことを考える人が少ないこと。2つ目には人口のパイが大きいために、高齢化率がそれほど高くなくても、高齢者人口が一挙に増えるからです。団塊世代が後期高齢者になる2025年まで10年を切っている今、その対策が急務です。

「どこで死ぬか」という厚労省のデータで自宅や介護施設、医療機関でなく、その他が30%というショッキングな数字があります。10人に3人が誰にもみとられることなく死ぬ社会になるというのです。これを食い止めるためにやれるだけのことをやる、そしてその先に若い人がもう一回住める地域、社会、国にしないと、日本はどうにもなりません。

 

◆教育・医療・介護の最低限の保障を

安倍首相のいう1億総活躍社会とか、希望出生率1.8とか、数字がデタラメです。人口推計も7000万人ぐらいが精いっぱいだと思いますが、そのためにやるべきことをやっていません。私の周りにいる若い人たちは年収300万円ぐらい、300万円を切る人も多い。300万円で結婚し、子育てして、老後のことまで考えなきゃいけないというのは正直厳しいです。でも、子育て世代をサポートする体制を作れば何とかなる道はあります。日本中のどこにいても、教育と医療と介護、最低限のレベルは保障する政策が必要です。これがあるかどうかは大きな違いですが、そういう政策の充実がない。もっぱら大企業中心の経済政策でトリクルダウンするのを待っている。待っているうちに干上がってしまいます。

 

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宇野重規さんは著書『〈私〉時代のデモクラシー』の中で次のように著しています。〈私〉の意識から出発した異議申し立てが、少しずつではあれ社会を変えていく原動力となることを承認し、そのために他者による異議申し立てに対する耳を澄ますこと。このことがやがては自分自身の境遇の改善へとつながっていき、再び、歴史の進歩や発展を語ることを可能にしていくのではないでしょうか、と。まさに、「異議アリ!」から始まった生活者ネットワークの運動と重なりました。