東京湾を泳げる海に!水辺の調査活動から

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「狛江のかんきょう」に掲載されている野川の水質は、大腸菌群数(MPN/100ml)*が環境基準5,000MPN/100ml(環境基準の水域類型B・多摩川参考)をはるかに超えています。いつまでもきれいな野川の水辺空間を残したいと2006年から、生活クラブ運動グループ狛江・地域協議会で続けている小金橋付近の水辺の調査活動。コロナ禍が続く今年は市民に呼びかけてのイベントは行わず、長年気になっていた大腸菌群の検査を初めて行いました。

 

表は過去5年分の数値。今年6月実施の数字は9月でないと公表されないそうです。

 

柴田科学株式会社の大腸菌群試験紙を購入し、狛江ネット環境部会メンバーを中心に7月31日夕方に野川の水を採取。滅菌パックに密封した試験紙をそのまま、恒温器(37℃)に入れ15時間培養し、試験紙の赤色コロニーを数えました。私たちずぶの素人のつたない、初めての実験では約3000MPNを検出しました(数が少ないのは、どこまで数えるか、迷ったことにも起因しています。あくまで初めての体験の報告にすぎません<m(__)m>)数日前までかなりの大雨が続いたことがどう影響するのか、大雨でオーバーフローした下水が流れ込んだか否か、などわかりませんが、検査を体験してメンバーもちょっとわくわく!今後も継続して観察していきたいと思います。恒温器は、今回は柴田科学さんの好意で貸し出していただきました。

環境政策課に問い合わせたところ、水質調査は多摩川・野川流域の自治体で共同で調査している。大腸菌群数については元来土壌や水中に生息する菌種や非糞便性の菌種も含まれることから、糞便汚染の指標としての適切性が国の中央環境審議会において議論されていること、大腸菌群数の値は通年でばらつきが高く、測定する日時や天候によっても変化があることが分かっており、、国の検討を待ちたいとのことです。

それにしても基準が不確かなまま、長年環境指標としているのは、どうしてなのか、素朴な疑問がわきます。さらに、東京オリンピック・パラリンピックのトライアスロンやマラソンスイミングなどの競技場としてお台場海浜公園の水質が問題とされていることもあり、海に流入する河川をきれいにすることは東京都としても喫緊の課題であるはずです。

ネットで調べてみるといくつかの自治体では遊び場水質調査を行い、ホームページで公表しています。都内でも、うらやましいきれいな水質の秋川・平井川の調査結果もご参考までに。

 

あきる野市ホームページより

https://www.city.akiruno.tokyo.jp/cmsfiles/contents/0000005/5534/040701ks-hunben31.pdf

 

 

 

*大腸菌の表示単位MPN/100ml

MPNとは「Most Probable Number」の略で「最確数」の意味です。最確数とは、コロニーの数を確率として統計的に表した物のことで、試験対象の水100mlに対して、培養されたコロニーが10個であれば「10MPN/100ml」となる。

(池座俊子)