憲法記念日にー起草にかかわったベアテ

ベアテ・シロタ・ゴードンさんの思い

 憲法は民を権力から守るためにつくられ、民の権利を高らかにうたったものです。民が権力者を統制、拘束するためにつくられたものが憲法です。狛江市でも終戦当時青春時代を迎えておられた方たちのなかには、毎日憲法を紐解く方がいらっしゃるそうです。誰から押し付けられたのでもない日本国憲法ですが、今改憲の議論が各党レベルですすめられています。前文、天皇条項、安全保障、信教の自由と政教分離、個人の尊厳と両性の平等などを何とか改憲の流れにのせたいと虎視眈々とねらっている政党に対して、主権者であるわたしたち民によってこそ憲法議論がすすめられるようご一緒に考え行動していきたいと思います。

 元連合国総司令部(GHQ)民生局員で、日本国憲法の女性の権利条項を起草したベアテ・シロタ・ゴードンさんが来日されたと聞き、話を聞きにいってきました。
 人権と男女平等について述べられている憲法14条、24条、25条にベアテさんの案が取り入れられています。ベアテさんの草案は特に男女平等に関して、アメリカの憲法には記述がなかったのですが、ヨーロッパ諸国の憲法を見習い、民法に反映させるためにはぜひとも憲法への明文化が必要と考え、かなり社会福祉的なことまで盛り込んだものでした。
 
 ベアテ案では妊婦や母親と幼児の保護、非嫡出子の権利擁護、児童の権利、特に弱い立場にある女性、子ども、恵まれない集団の人々などへの特別の保護と国家による最低の社会保障などを具体的に明文化していました。人権委員会では認められたものの、進駐軍男性のみの運営委員会で削除され、次に日本政府により天皇の条項の時と同様の反対にあい、結局骨格のみが残ったということです。日本政府は男女平等には反対を主張したそうですが、幸い両性の平等に関する条項は可決され24条にベアテの草案が反映されました。

 ベアテさんは「60年間改正されなかった憲法は日本国憲法だけ。女性は権利の為に毎日戦わなければならない。だから憲法によって女性に権利を与えなければならないと確信していた。今日本の女性は自信をもっている。日本の女性の地位の向上を全世界に向けて伝えていく責任がある。平和運動は女性の義務でもある。」と話されていました。

 ここ数年ジェンダーバッシング、男女平等に対するバックラッシュが過激さをましています。北京会議開催、男女共同参画社会基本法が制定された前後からは想像もできないほどの悪化状況です。狛江・生活者ネットワークでは月1回憲法を語る日を持っています。現実をしっかりと見つめて、私たち人間・民の権利を守る憲法はどうあったらよいのかを考えていきたいと思います。

参考
〇市民立憲フォーラム
http://www.citizen-i.org/kenpo/

〇真っ当な国民投票のルールを作る会…あなたが決める この国の行方
http://www.geocities.jp/kokumintohyo/