竣工してそれほどたってはいませんが、私たちはこんなに理想的なすまいなので誰でも知っているはずという思い込みで区役所付近で道を尋ねました。が、思いのほか私たちが聞いた人たちは誰一人ほっと館を知りませんでした。それもそのはず、ほっと館はこれだけいろいろな工夫がされていますが、住居の分類で言うと普通の共同住宅。どちらかというと高齢者向けということですが、厳密に65歳以上でなければ入居できないわけではありません。
ひとりになっても、ひとりでも自分らしく安心して暮らしていきたいと願う人を応援する新しいすまいの提案だからです。大きなキーワードは「自律した生き方」だと思います。自立を妨げるような過剰なケアの投入や高齢者の管理ではなく、ほどよい関係を大事にするすまいです。
そして自分たちだけ守られる暮らしは究極の安心にはつながらない、地域の人たちと近所づきあい、交流があってこそいざという時のたすけあいや、見守りがさらに安心を深めるはずと自ら袂を開いていく経営スタンスが大きな特徴です。
でも竣工までには法律の壁、金融システムの壁に幾度もぶち当たりながら、まさにてさぐり状態での奮闘があったとのことです。
主に高齢者向けとはいっても65歳以上の認知症対応のグループホームではないので介護保険法による国からの建設補助もなく、実績がないNPO法人が立ち上げ資金として融資を申請しても地域の金融機関すら貸し渋るなか、どうしてここまでこぎつけたのでしょうか。
事業の理念だけでなく、事業計画の堅実性を市民が市民に対して説明責任を果たし、資金調達の方法として1口5万円の市民債の発行、市民による1口100万円の大口融資の募集を始めました。それでも当然のことながら1億円を超える全額の調達とはいきません。
社会貢献としてNPOに初めて融資を申し出る小松川信用金庫と
市民活動を応援する東京コミュニティパワーバンクの応援でやっと夢の実現に近づくことになります。
(◆東京コミュニティバンクは、生活クラブ生協の組合員や運動グループの市民たちが設立した組織で、市民のお金をまわし、地域社会にとって必要で価値ある事業に融資していくしくみです。)
がんじがらめの補助金システムや市民活動への支援が海外に比較して著しく制限されている現在の日本で、制度改革は当然の事ながら必要です。それにもましてほっと館の試みは地域住民や活動に共感する広範な市民の後押しあってこその活動です。
狛江市民の皆さん、ご一緒に住み続けたいまち狛江の夢を描きましょう!そして、私たちも江戸川の人たちのように果敢にその実現に向けて取り組みたいものです。
◆ほっと館はただいま入居者募集中です◆
問合せ先
特定非営利活動法人ほっとコミュニティえどがわ
TEL/FAX03−3654−9188