ストップ!無駄な公共事業

新しい水源確保(八ッ場ダム)は本当に必要か

3月18日(土)に八ッ場ダムをストップさせる東京の会の第二回総会が開催されました。

◆八ッ場ダム予定地はどこ?
東京から大宮、高崎を経て利根川上流の吾妻川を草津白根山のほうへ遡ると予定地の川原湯温泉で有名な長野原町があります。

◆当初のダム建設の目的は?
八ッ場ダムは利根川中下流部の洪水被害を軽減するという「治水」と首都圏である東京、埼玉、千葉、茨城、群馬の1都4県への水供給を目的に、1965年ごろに計画されたものです。

◆本当に必要?
私たちは八ッ場ダムの建設は利根川の治水にもはや不要、さらに首都圏ではすでに水あまりの現状があり、利水の面でも国・都の水需要予測は過大であること、また建設予定地は地質が極めて脆弱で、水を貯めることで地すべり、崩落の危険性が大きい事を理由にこのダム建設にストップをかける活動を支援しています。

◆無用の公共事業に支払わなければならない私たちの税負担は?
八ッ場ダムの総事業費は、周辺整備や起債利息などを含めると約9000億円の国民負担を強いています。このうち半分が国税から、東京都民の負担としては1280億円です。

◆ダムができると貴重な資源である地下水を放棄することに
見直そう地下水!水循環を取り戻そう!
八ッ場ダムが完成すると、東京都の多摩地域(04年度データ地下水割合平均29%)や千葉県では今まで使っていた水道水源である地下水を河川水に切り替える計画です。
地下水は年間の水温も安定して、おいしくかつ安全性の高い水源です。
河川水は飲料水としての安全性を確保するために添加する塩素がトリハロメタンなど発がん物質を発生させます。
東京都では地盤沈下を理由に揚水規制をしていますが、現在沈下は沈静化し、水位も回復しています。(東京多摩環境事務所)
水源だけでなく、大都市である東京は産廃などゴミ処理に関しても他県の環境を破壊しながら繁栄しているとしっかり認識し、できることから着手すべきです。
地下水により水源自立していくためには水質、水量の保全がぜひとも必要です。山から海までの環境保全、まちづくりのあり方、地下水を使い続け、飲み続けることでの地下水汚染の未然防止、汚染拡大の防止、汚染物質の除去による適切な水循環を取り戻すことが喫緊の課題です。

◆4月11日AM11:00〜地方裁判所606法廷での住民訴訟裁判に参加して裁判の行方を見守ってください!
今回初めて利水について実質的な審理に入ります。法廷ではパワーポイントを使用し、わかりやすく私たちの主張を繰り広げる予定です。
司法改革という流れも手伝って、私たちが残留農薬裁判を起こしていた10年前とは裁判の進行もかなり様変わりをし始めています。
憲法は権力者から市民の基本的人権を守るもの、司法は合憲かどうか判断し、権力者から市民の公正を守るためのもの。
私たちが1都5県(東京都、埼玉、茨城、千葉、群馬、栃木県)に対し提出した住民監査請求はすべて棄却されましたが、04年11月1都5県の住民によって、各都県が八ッ場ダム事業から撤退することを求めて各地方裁判所に住民訴訟を起こしました。

○この第二回総会で観た「日独裁判官物語」については改めてご報告します。