外郭環状道路に対する市長意見(案)をお知らせします

12月20日狛江市都市計画審議会で審議されます

 
 今日20日に狛江市都市計画審議会が開催されます。
今日審議会に対して市長が諮問していることは「東京外郭環状道路の都市計画変更に対する狛江市長意見」(案)です。

 狛江市の矢野市長の意見は次の通りです。

1.大深度トンネルが地下水等の環境に及ぼす影響や地震などの災害や事故発生時の安全性について十分な検討を行い、市民及び沿線住民への情報提供を要望いたします。

2.PI会議のしくみをさらに充実させるなど、反対者に対しても十分に合意形成を図られることを要望いたします。

3.将来の交通量予測などは十分に精査して正確なデータ作成を行うよう求めます。見込み違いにより判断を誤るなど将来の無用な負担を招かぬよう今後も慎重に対処することを要望いたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    さて、市民の皆さんは市長意見案を読まれてどう思いますか?

 まず、外郭環状道路は狛江市の北側、東野川3丁目、4丁目の調布市、世田谷区境の一部を通り抜ける計画になっています。
 これまでは昭和63年3月29日の市議会決議により、建設反対の決議がなされています。この時点では高架式の高速道路で、建設に伴なう環境への影響が甚大ということが理由です。
 
 今回高架式から大深度(地下40m以上)化へ形態を変更し、それに伴なう付属街路などの都市計画変更が必要になってきたということです。
しかし、国や東京都が影響評価や安全性について判断する基準は大深度トンネルを物差しにした環境影響評価ではなく、地上部に建設された時の基準です。大深度をアセスする基準そのものがまだ存在しないのです。
 影響を及ぼす範囲も限定されたものであり、例えば外環を出て、世田谷通りに流入する交通量予測と狛江市部分世田谷通り沿いなど通過による市内の大気汚染や交通安全の関係など複合的な影響についてはアセスされていないわけです。そんな状態で市長意見1.や3.のようなのんきなことを言っていてよいのでしょうか。この文面では矢野市長は建設はやむを得ないと認めているようですね。沿線住民や市民の健康や交通安全の問題をどう考え、どう対処しようとしているのか明確に市民に示すべきではありませんか?
 

 また、常日頃市民参加が不可欠と市民に対して言っている市長が、2.のPI(パブリック・インボルブメント)会議の位置付けをこんな甘いものにしていいのでしょうか。そもそもPI会議は意思形成段階からの市民参加で計画を作っていくときの指針にするものです。
PI会議にはほとんどの自治体は2名枠しかありませんでした。行政が声をかけたのは推進派(賛成派)と建設反対派各1名ずつです。
 そして反対派の人たちは理論武装もして、国や東京都と闘いながらPI会議をリードしていたように見えていました。時の大臣も「ゼロベースからの議論を」と言って始まった会議です。にもかかわらず議事進行もすべて官僚が仕切り、市民の無力さを味わう場面のなんと多かったことか。市長として国を東京都を相手に市民参加の環境整備をもっと言っていってもよいのではありませんか。