その人は2月17日(日曜日)におしゃべりサロンのゲストとしてお招きした医師鈴木央さん。
おしゃべりがしやすい40人ほどのこじんまりした会場を用意していたのですが、関心の高さを反映して参加者が部屋に溢れ、十数人は立ちっぱなしの状態でした。
鈴木さんは現在、大田区山王で在宅療養支援診療所 鈴木内科医院の副院長として医院での診療の他、合間をぬって愛車の電動自転車を走らせ、地域にこだわって在宅療養を支援していらっしゃいます。
お話はご専門のがん患者の終末期医療についてでした。…「末期がんでも家で過ごすために」…
鈴木医院が関わった末期がんのターミナルケアのケース74人をみると、在宅死を可能にさせるのは在宅を望む意思、患者を苦しめる身体的苦痛の他に精神的苦痛、スピリチュアル・ペイン、社会的苦痛を緩和すること、家族の心の迷いに寄り添えることが大きな要因だとわかったそうです。
病気・死の受容は当人にとっても家族にとっても葛藤があり、鈴木さんは患者やその家族に寄り添う医療をこころがけ、決して見捨てず、「できることをできるだけ」のモットーで「少なくとも不幸でない」人生の終末期が送れるよう療養支援をしていらっしゃいます。
また鈴木さんは緩和ケアを実施し、認知症への理解が深く、じょくそうのケアができる在宅医を増やすために、後進の育成にも力を注いでいらっしゃいます。
在宅医療は医師一人では不可能で、医療の連携、訪問看護やケアマネなど在宅療養を可能にするチームワークも必要です。私たちも声を出しながら望む在宅医療のしくみをつくっていきましょう!