責任だけを押し付けられた格好の地方分権改革も、今年は財源委譲に関してさらに討議される予定です。国と対等の関係になった地方自治体のはずですが、私たち市民には対等という実感がわきません。
しかし財政をはじめ市政運営の悪化を三位一体改革が原因だとばかり言っていても何も好転しません。市民自身が国、東京都、狛江市に対して提案し、生活の質を豊かにするための改革に向け行動できるように自治力をつけていく応援こそが狛江市および狛江市議会に求められていることだと確信します。そして今年は4月に地域の議員を選びなおす地方統一選挙、さらに7月には参議院選挙も予定されています。狛江・生活者ネットワークは市議会議員選挙にむけ、予定候補者として新人の吉野芳子、2期目に挑戦する池座俊子の擁立を決定しています。
狛江・生活者ネットワークは2元代表制(2元の一方は選挙で選ばれる市長、もう一方が議員で構成される議会)の片方の議会に2人の議員を擁し、市民が市政に参加するためのしくみ…市民参加と協働に関する条例、情報公開条例、まちづくり条例、環境基本条例、介護保険推進市民協議会の設置などを提案し、制定・設置…を実現してきました。さらに個別課題の解決のために議員提案で「地下水保全条例」「福祉移動サービスに関する条例」を提案しましたが、否決されました。現在すでに制定された制度の不備を見直し、新たにパブリックコメントを条例化するなどの提案を行っています。
また、市民が問題に気づき、周りの市民と議論し、対案を提案するためには市政に関するわかりやすい情報がぜひとも必要だと考えています。求めれば公開される情報公開条例をより使いやすくする文書管理の改革、情報提供を狛江市に求め、一つずつ実現してきました。
しかし今、しくみはあってもそれを使いこなす市民がいないと揶揄され、行政の委員会などへの参加は決まった顔ぶれだけになり、一人の人が何役も兼任する場合もあり、公募に応じる市民がいないなどの問題も生じています。いかに市政運営が自分の生活と密接にかかわり、大きな影響を受けているかを2元代表の首長も議会も市民に対してきちんと説明、報告し、まちづくりへの参加を促し意見を求める必要があります。ご近所や地域で市民が身の回りの市政について話合い、対案を出していける参加のしくみ、情報の提供・共有は今後も課題です。
狛江・生活者ネットワークは地域にこだわります。地域の課題や大事なことを市民が地域で解決出来るように、さらに市民自治を広げるために活動していきたいと思います。
狛江・生活者ネットワークは旧態依然の政治とは決別し、市民と議論し、議員同士さらに議論し、市民意思の最終決定機関として民主主義を実現する議会に変えていきます。今後も地域に必要なサービスを市民の手でつくりだすことを応援し、新たな公共を担っている市民、NPOや市民事業が行政と対等な立場で市政を運営できるよう、必要なしくみを狛江市につくっていきたいと思います。